労働審判

労働審判の呼出状が届いたときの会社側の対応

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この記事では、労働審判の呼出状が届いたときの会社側の対応について弁護士が解説しています。

第1回期日の確認

呼出状には第1回の労働審判期日の日時が記載されています。

労働審判期日では、事情に詳しい会社の担当者(総務部長等)の出席が求められるので、スケジュール調整が可能か速やかに確認してください。弁護士が決まっている場合は、弁護士のスケジュールもすぐに確認しましょう。弁護士が代理人とならない場合は、代表者(社長)の出席が必要になります。

労働審判の第1回期日に担当者の出席ができないときは、速やかに期日変更の申立てをする必要があります。期日変更が認められるかは裁判所次第ですが、民間人から選ばれる労働審判員の決定後は期日変更はまず認められませんので、速やかな対応が必要になります。

顧問弁護士がいる場合は、呼出状が届いた当日に顧問弁護士に報告、対応を依頼するくらいのスピード感でなければなりません。

弁護士との初回打ち合わせを速やかに調整する

会社側は、答弁書の提出期限までに答弁書、証拠書類を用意して提出しなければなりません。呼出状が届いてから答弁書の提出期限までは1か月程度しかありませんので、非常にタイトなスケジュールのなかで、申立人が入念に準備した申立書に反論する準備を整えなければなりません。

労働審判前の事前交渉の時点から弁護士を立てている場合や顧問弁護士がいる場合はいいですが、これから弁護士を探す場合は、どれだけ早く初回の打ち合わせを調整できるかが重要になってきます。

初回打ち合わせの前に弁護士に確認しておくこと

労働審判の会社側は非常にスピーディーな対応が求められるので、あらかじめ重要な点を確認しておかないと、取り返しのつかない失敗につながります。

特に新規で弁護士の法律相談を予約するときには以下の点を確認する必要があります。

  • 第1回期日に出廷可能か?
  • 第1回期日までに複数回の打ち合わせが可能か?

第1回期日に出廷可能か?

法廷の仕事が多い弁護士は、既に1か月先の予定はある程度埋まってしまっていることが多いです。

依頼できそうな弁護士をみつけて初回相談を予約しても、その弁護士が第1回期日に出廷できず期日変更も認められなければ、また1から弁護士探しを始めなければなりません。

そのため、初回打ち合わせの前にあらかじめ弁護士のスケジュールを確認しておく必要があります。

第1回期日までに複数回の打ち合わせが可能か?

どんなに腕の良い弁護士でも、初回の打ち合わせのみで十分な答弁書を作成することは不可能です。

申立書、申立人提出の証拠書類を精査の上、会社側関係者へのヒアリング、会社側に有利な証拠の収集等を進めていく過程でどうしても数回の打ち合わせが必要になってきます。

ある程度はメール、電話等での対応も可能ですが、しっかりとした内容の答弁書を作成するには関係者から直接話を聞くというのが重要になります。

また、第1回期日では、審尋という労働審判委員会や申立人代理人から関係者が質問される手続も行われますので、その想定問答(リハーサル)を時間をとって行う必要があります。

これだけの作業を1か月足らずの間でこなせるだけのスケジュールの余裕が弁護士にあるかを確認しておく必要があります。

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藤澤昌隆
藤澤昌隆
弁護士・中小企業診断士(リーダーズ法律事務所代表、愛知県弁護士会所属)

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